高機能な製品を製作するには、それなりの費用が必要になってきますが、それを適正な原価に収めるのも、設計者・開発者の重要な仕事になります。大きく捉えると、機械・装置を適正なコストに収めるために設計者に求められることは下記の2点になります。
①求められる能力にあった設計を行うこと。
(オーバースペックにならないこと、オーバースペックな機器を購入しないこと)
②機構部品などの加工方法を知った上で図面を書くこと。
①についてはオーバースペックな設計を行うことはコスト高になることは容易に予測できます。しかしながら、非常に多忙な設計者は、このうち、②については多くの場合見落としがちです。機械加工や精密板金を手掛ける企業には、日々多くの図面が送付されてきますが、その多くが加工方法を知らない設計者によるものであるため、その図面どおりに加工すると、段取り替えが多くなって加工時間が長くなったり、極端な場合は加工することができないようなケースも発生しています。設計者は知らず知らずのうちに、非常にコストが高い加工方法で作らざるを得ないような図面を引いてしまっている可能性があるのです。これは、オーバースペックな設計と同様に、大きなコスト上昇を招きます。

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